2008/07/08

下北ツアー

下北といっても下北沢じゃありません。
下北半島です。

7月4日、父の葬儀と納骨のため青森へ。
「はやて」という、名前の通り速い新幹線ができ、大宮の次は仙台って!すごいなあ。
八戸で快速に乗り換え、本州最北端の大湊駅へ。
そこからさらにタクシーで30分ほどで菩提寺のある町へ到着。
母、私、妹、甥と姪も来てくれたおかげで、湿っぽくない旅となった。
たまたま秋田に出張だった妹の旦那さんも合流。
弟は考える所があるらしく、一人で車を飛ばして来ることになった。
正確には父のお骨と一緒なので、親子二人水入らずの旅になる。

泊まった温泉宿は地元の人たちでにぎわう公衆浴場の雰囲気で、アットホームな感じ。
宿泊客は我が家だけ(笑)。
まわりに何もないので夜が長い。

7月5日、葬儀の日。
弟が無事到着し、一安心。
菩提寺に向かうと、ほどなくして母の姉の家族、私にとっての伯父さんといとこたちが駆け付けてくれた。
親族だけのおごそかな葬儀。
以前このお寺に来たのは、他のお墓に入っていた曾祖母のお骨を移した時。
その時は映画にしたいくらいかなりの珍道中だったのだけれど
お経をあげている際、隣に座っていた父が号泣していたことを思い出す。
父が泣いたところを見たのは後にも先にもあれっきりだったと思う。

浄土真宗では位牌も戒名もなく、過去帳に法名がつけられる。
儀式では泣けない私だけど
仏前に置かれた過去帳に父の名前を見た時には、どうにもこうにも涙が出てしまった。
葬儀のあとは納骨。
荼毘に伏した日もそうだったけど、とても明るい青空。
父は晴れ男だったのかもしれない。
そういえば大湊からのタクシーで、霞がかかるむつ湾の上に
大きな虹が見えたっけ。

手でお骨をつかんでお墓の中へ。
この時まで状況をよく分かっていなかった甥っ子と姪っ子は
やっと「おじいちゃんは骨になってしまった」という事実を把握したらしく
小さな瞳から大粒の涙がぽろぽろとこぼれていた。

伯父といとこの車で一路浅虫へ。
子供の頃、毎年のように遊びに来ていたおうち。懐かしいなあ。
出迎えてくれたのは、久しぶりに会う伯母。
いろんな病気をしてきた伯母はかなり痩せて、とても小さく見えた。

それにしても、離れていた時間を感じさせない「血族」ってすごいな。
久しぶりだというのに、そんな気がしない。
親戚付き合いなんてメンドクセー!と思っていたけれど
伯父一家はみんながみんな明るくて
ああ、私、なんかこの人たち好き、と思ったのだった。
母も次の世代の橋渡しをしなくてはと思ったらしく
父の死を期に、こうして引き会わせてくれたことに感謝。
そして、こんな素晴らしい親戚に長らく会っていなかった自分を反省。

旅館の部屋の窓からは、海を望む風光明美な景色が広がっていた。
ああ、なんだかここに毎年来なくちゃいけない!
そんな気持ちになった。

母と一緒にお風呂に入ったこと、
母に私の正直な気持ちをぶつけたこと、
弟といろいろ話したこと…
はからずも父の死によって家族の結束が固まった。
父は喜んでくれているだろうか。


※読者の皆様へ
お悔やみのメッセージ、ありがとうございます。
お一人ずつ返信できませんが、皆様からの温かいお気遣いに心から感謝します。

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