2009/04/27

病院のホスピタリティー

今朝は会社に行く時間よりも早く、昔通っていた歯医者へ向かった。
ここは何度も通わなくて済むよう1度にじっくりと治療してくれるのだが、そのため時間の予約が出来ず、混んでいれば待ち続けることになるので、まる1日休みをとったのだ。
受付も治療も薬の処方も会計も、すべて先生が1人で、お昼の休憩もとらずにやっている。
朝いちで伺ったら私が最初だった。ラッキー☆

レントゲンを撮ってもらい、アゴの痛みの原因がついに判明した。
現在生えかかっている右下の親しらずが、すでに生えている上の親しらずにぶつかって刺激となり、それが痛みや腫れを引き起こしていた。
私は抜く気まんまんだったのだが
「せっかく生えてくる歯を抜くのはもったいないから、このまま残しましょう。痛みは薬で引きますから、4日間飲み続けて下さいね。」
と丁寧に説明していただき、今日は歯のクリーニングのみで終了。
治療以外にも気さくに雑談したり
「お酒は飲まないでね、治ったら飲めるようになりますから」
などと笑いながらおっしゃったり、なんだか安心できる。
ウチの地元の歯医者ときたら受付の女がめちゃくちゃ無愛想で、予約なしで飛び込んだら迷惑そうな顔をされたこともあり、いつも不愉快になるので行きたくなかったのだ。
やっぱりわざわざ来て良かった。

本来ならば医者が先、整体はそのあとだったのだが、痛みの根本は歯だったけれど、長時間同じ姿勢でいたことが痛みを悪化させていたことも分かったので、結果的には良かったのだと思う。
もうちょっと西洋医学を信用しようと思った私(笑)。

整体の先生もとても優しいかたで、私が
「自分の姿勢が悪いからこうなった。自分のせいだ」
と話したら
「あなたは何も悪くない。悪いと考えないで。私も心掛けているけど、患者さんにはなるべく不安になる要素を与えたくないんです。ネガティブになると治りも遅くなってしまうから、前向きに治していきましょう。」
と言ってくれた。先生の気遣いがうれしかったのと、「あなたが悪いのではない」と言葉にして言われたことで安心感がわいた。
そして「痛くなったのは激務のせい=この職場が悪い=この職場が嫌いだ」と思ってしまった気持ちが少し和らぎ、まだ頑張れる気がしてきた。
良い先生たちに巡り会えた私は幸せ者だ。

治せばオッケイというのではなく、それ以外の、心の痛みも和らげてくれることが本当のホスピタリティーなのだと思う。
「ホスピス(hospice)」という言葉は中世ヨーロッパで旅人や巡礼者、病人に食事とベッドを提供した教会や修道院に付属した施設に由来します。この 語源となったラテン語のhospitiumには「人をおもてなしする」という意味があり、この語からhost(客をもてなす人)、hospitality(おもてなし)、さらには病院を意味するhospitalが派生しました。このことは本来病院とはどのような場所なのかを考える上で大切なことを教えていると思います。
(参考サイト:「勤医協中央病院広報誌」

現在では終末期の患者をケアする施設のことをホスピスともいう。
うちの父も末期ガンで在宅ホスピスのお世話になったが、キリスト教系とはいえここまでしてくれるのかと驚くほど、丁寧に接して下さった。
父が手術をやめたのは、最初に検査した大学病院の医師の態度が不快だったせいだ。あの時の医師がもっとホスピタリティーのある人だったら、父はもっと長生きできたかもしれない。

在宅ホスピスの前に診てもらっていた、長年お世話になっていたホームドクターは、医療活動のボランティアとして先日アフリカへ渡った。そういう素晴らしい方に診ていただけて、本当に良かったと思う。

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