富士山、遠のく

去年の暮れ。
母をどこかに連れて行きたくて
行きたい場所を聞いたらば
「富士山が見えるところ」というリクエストだったので
山梨の河口湖を選んだ。
ちょうど「冬花火」というイベントや
イルミネーションの飾り付けも行われており
花火もイルミネーションも大好きな母には
きっと喜んでもらえると思ったのだ。

部屋からはもちろんのこと
大浴場や露天風呂からも富士山が見えて
さらに花火会場にも近く
お風呂が充実している温泉宿を予約した。
行きの電車でフジサン特急に乗って
翌日のお昼も富士山が見えるところでランチして
お土産は富士山にちなんだあんなもの、こんなもの…。
富士山づくしの計画となった。

東京からも富士山が見える。
空気が澄んだ冬の朝、電車の車窓から
ついつい富士山の方角を眺めてしまう。
富士山がきれいに見えた日は
なんだか良いことがありそうな気になる。
ここ最近ずっときれいに見えていたので
いよいよとなった今週末も大丈夫だと思っていた。

ああ、なのになのに。
その日はなんだか天気悪そうだよ〜。しかも全国的に。
他は雨でも河口湖は雪の予報。
いくら花火や温泉があっても
肝心の富士山が見えなければ全く意味がない。
残念ながら旅行は延期せざるを得なくなった。

すっごい楽しみにしてたのになあ〜。
実は母より私の方ががっかり度が高いかも。
今度晴れそうな日が来たら
そりゃあ！！！と予約なしで出かけるしかない。
それまで待っていてくれ、富士山よ。
できれば地震はないほうがさらに良い。