2017/04/29

クレイジー一家

今から30年前の春、何を思ったかウチの父は
あとちょっとで定年を迎える公務員の仕事を辞め
北海道から東京に引っ越して来た。
子供達がみんな東京に行ってしまったのに
親だけ北海道に残る必要はないと思ったらしい。
父は東京出身だったので
生まれ故郷に帰りたいという気持ちがあったようだ。

ビックリなのが、父も母も
仕事の見込みがまったくない状態で東京に来たこと。
「なんとかなる」って思ったらしいけど
(この血を私が見事に引き継いでいる)
バブル時代だったのが本当に救いだった。
そしてなんとかなって、30年経った。

そんなクレイジー一家が今まで暮らした家を
母を連れて見て回ることにした。
おそらくこの先、こんな機会はないと思ったから。
道々、思い出話を掘り起こしながら
最初に暮らした新大塚のマンションへ。
3DKの狭い家で8年暮らした。
家賃が値上がりして引っ越すことにした。

その次は池袋から3駅の板橋区のマンション。
新築で3LDKでちょっと広くなった。
引っ越した年は神戸の震災とオウムの事件に
私のブラジル旅行も重なって、すんごく慌ただしかった。
北海道から弟の親友が上京してホームステイしたり
妹が出産のため甥っ子を預かったり
私の職場の友人たちを招いてホームパーティーしたり
人の出入りが多かったことが思い出される。
ここも8年暮らしたが
裏にマンションが建って日当たりが悪くなり
引っ越すことにした。

駅から15分、当時は遠いとは思わなかったけれど
高齢の母にはこたえたようだ。
そのあとに住んだ家には後日訪れることにした。

上京したときの母の年齢が、ちょうど今の私と同じくらい。
このトシではもう守りに入る年齢だと思うのに
知らない場所に行くことにワクワクできたなんてうらやましい。
私からすればこの先30年、あの濃ゆい日々を過ごすかと思うと
ゾッとするけど(笑)
我が家のフロンティア精神は受け継いでいこうと思う。

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