2012/12/09

キリンジ@ラフォーレミュージアム六本木

去年のSHIBUYA-AX以来、約1年ぶりのキリンジのライヴ。
アルバムが出るたびに行われるライヴを、いつもは定期的な確認で観に行くようなところがあったけれど、今回からは違う。1回1回が重みを持ってくる。

超アウェイの六本木、スマホのナビで地元民しか歩かないような坂道などを通って会場到着。ヤスくんも「道が分かりにくかった」とステージで言っていた。
クローク500円って高っ!会場は割とスペースがあったので手に持って観賞。横長のハコでステージも高く、AXより全然見やすかった。

かすかな音でかかっていた環境音楽がフェイドアウトし、キリンジとバンドのメンバー登場。兄樹はデニムのシャツ、ヤスはシャツに細めのタイ、カーディガンといった出で立ち。
おっと1曲目からダブルネックギター!ガタイがいい人しか持つことを許されないこのギター、兄樹が持つとキマルね。
新譜から始まるかと思いきや、もうタイトルさえも忘れかけていた1stの曲。地味だなあ。しばらく旧譜からの曲が続き、やっと数曲目で新譜から「いつも可愛い」を。でもこの曲、なんだか気恥ずかしいんだよね。

実は新譜をあまり聞き込めずにいた。どんなに楽しい曲があっても楽しい気持ちで聞けなくなっていた。 その気持ちを引きずってライヴに来てしまったので、どうも以前のようにニコニコしながら楽しむ感じではなくなっていた。

中盤のCHANT!!!!〜嫉妬〜祈れ呪うなの流れはよかったなあ。
演奏力の高い人たちのライヴを見るのは本当に気持ち良い。
「祈れ呪うな」は福島の原発のことを歌った曲。よくぞこんな難しいテーマに挑戦したなと思ったけれど、ライヴで聴くと改めて“言葉”が耳に突き刺さる。
この曲を聴いたとき、私が思っていたモヤモヤを見事に代弁してくれたことに感動したと同時に、批判を恐れずにリリースした勇気に拍手を送りたいと思った。
書きたいと思う衝動に突き動かされて書くことが芸術なのだと思う。
衝動に突き動かされて描いた岡本太郎の壁画に落書きするようなケツの穴のちいせえヤツらなどはお話しにならない。

選曲もあんまり私のツボじゃなかったし、ああ、どうしたんだろう。淡々と時が過ぎ、大事なライヴのひとつがあっけなく終わってしまった。
これはおそらくここ数年で個人的に巻き起こった喪失感が影響していると思われる。
いつもあると思っていたものが永遠ではなく、あっけなく失われてしまう諸行無常感。なんだろなーこの気持ち。



帰りは遠回りして東京タワーを眺めながら帰った。
ライトアップされた美しい東京タワーを見ながら
「東京の空を飛ぶ夢を見たよ」
そんなセンテンスを思い浮かべたのだった。
東京の空もいいけれど
2月には広島や松山の空も飛んでみようかと目論んでいる。


12月9日 セットリスト
01.太陽の午後
02.カメレオンガール
03.夏の光
04.ロープウェイから今日は
05.君の胸に抱かれたい
06.いつも可愛い
07.今日の歌
08.Love is on line
09.Ladybird
10.バターのように
11.CHANT!!!!
12.嫉妬
13.祈れ呪うな
14.アルカディア
15.早春
16.荊にくちづけを
17.TREKKING SONG
18.竜の子
(アンコール)
19.エイリアンズ
20.雨を見くびるな
21.涙にあきたら

SUPER VIEW (初回盤)SUPER VIEW (初回盤)
堀込高樹 キリンジ

曲名リスト
1. 早春 (作詞/作曲:堀込高樹)
2. TREKKING SONG(作詞/作曲:堀込高樹)
3. 荊にくちづけを(作詞/作曲:堀込泰行)
4. 涙にあきたら(作詞/作曲:堀込泰行)
5. いつも可愛い(作詞/作曲:堀込高樹)
6. 今日の歌(作詞/作曲:堀込泰行)
7. 祈れ呪うな(作詞/作曲:堀込高樹)
8. バターのように(作詞/作曲:堀込高樹)
9. 竜の子(作詞/作曲:堀込泰行)

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